演奏動画を追加しました②

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ラヴェル: 《夜のガスパール》より「オンディーヌ」

人間の男に恋をした水の精オンディーヌ。彼を湖の底へ連れて帰りたくて、自分の棲む世界がいかに素晴らしいかを歌い、語りかけます。私と一緒になりませんか、と懇願し指輪を渡そうとしますが、自分には好きな人がいるからと男が断ると、彼女は涙を流し、次の瞬間、高笑いと共ににわか雨の中へ消えていきます。後には窓ガラスをつたう水滴が残るばかり——という内容の詩を音によって忠実に表現した作品です。 3曲からなる組曲《夜のガスパール》の第1曲となります。

 

ショパン: バラード第2番 ヘ長調 作品38

穏やかさと激しさの対比が強烈な印象を残す楽曲です。この作品を語る上でよく名前の挙がる人物が、ショパンと同郷のポーランドの詩人、ミツキェヴィチ。彼が書いた一編の詩——深い森の奥の湖、美しい乙女の姿をした水の精、彼女が語る悲劇的な伝説、裂ける大地と荒れくるう波……、といった描写のあるその詩にショパンはインスピレーションを受け、『バラード第2番』を書き上げたと言われています。一方でその二つは何ら関係が無いという説もあり、本当のところは、謎に包まれています。

 

収録: 2018年6月、スタジオ ピオティータ
使用楽器: ニューヨーク・スタインウェイ B型 (1931年製)